「夏のくじら」
大好きな本は何度でも読み直したくなる。そして、その時々で違った感動をくれる。
- 作者: 大崎梢
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2011/06/10
- メディア: 文庫
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四年前に高知のよさこいを踊った主人公の篤史は、その時に出会った女の子の事が忘れられず、東京から高知大学に入り、もう一度よさこいのチームに入る。
「人に笑われて、おちょくられて、ばかにされて、それでもあきらめられんもんを、簡単に手放すがじゃないぞ。なんでもいいから追いかけや。もうこれまでやと、思い切れるところまで、とことんやるっきゃないろう。」
ふともう一度手に取ったこの本は、息苦しい程の熱気と情熱で、生きる素晴らしさを教えてくれる。
僕自身、毎日の生活に追われて、何かを失いつつあったのかもしれない。大切な物を見失いつつあったのかもしれない。
失敗する事が怖くて、嫌われるのが怖くて、人付き合いも何もかも程々の距離感で終わらせてしまう。
だけど本当に大切な物はかっこ悪くても、見苦しくても追いかけたい。
大切な物を思い出させてくれた一冊でした。