ひびこれよきひ

日々の生活の中のちょっとした発見や旅先でのことなどを書いていきたいと思います。

「夏のくじら」

大好きな本は何度でも読み直したくなる。そして、その時々で違った感動をくれる。


夏のくじら (文春文庫)

夏のくじら (文春文庫)


四年前に高知のよさこいを踊った主人公の篤史は、その時に出会った女の子の事が忘れられず、東京から高知大学に入り、もう一度よさこいのチームに入る。


「人に笑われて、おちょくられて、ばかにされて、それでもあきらめられんもんを、簡単に手放すがじゃないぞ。なんでもいいから追いかけや。もうこれまでやと、思い切れるところまで、とことんやるっきゃないろう。」


ふともう一度手に取ったこの本は、息苦しい程の熱気と情熱で、生きる素晴らしさを教えてくれる。


僕自身、毎日の生活に追われて、何かを失いつつあったのかもしれない。大切な物を見失いつつあったのかもしれない。


失敗する事が怖くて、嫌われるのが怖くて、人付き合いも何もかも程々の距離感で終わらせてしまう。


だけど本当に大切な物はかっこ悪くても、見苦しくても追いかけたい。


大切な物を思い出させてくれた一冊でした。